定額減税への対応方法(freee人事労務・マネーフォワードクラウド給与・手計算)
2024年6月に支給される給与より、「定額減税」制度がスタートします。(そして2024年12月支給給与で終わります)
急に降ってわいたような、聞きなれない「定額減税」について、解説してみたいと思います。
そして、解説するサイトは大量にあるので、私の記事では、
- 定額減税とは?対象者は?
- 所得税に絞って
∵給与支払者の特別な対応が必要だから。住民税はいつも通り市町村からの指示に従えばOK。 - freee人事労務での対応方法
- マネーフォワードクラウド給与での対応方法
- 給与手計算での対応方法
を、いつもながら超ざくっと記載したいと思います。
目次
定額減税とは?(超ざくっと解説バージョン)
例えば扶養親族が4名いるとします。
- 2024年6月~12月給与 で
- 本人30,000円+扶養親族(*1)30,000円×4名=150,000円 分を
- 毎月(*2)、給与から天引きされる所得税から減らして くれて
- 年末調整では1月~5月給与を含めた全体の所得税も減らして くれて
- それでも引ききれなかった(控除しきれなかった)額は、最終的に自治体(市町村)から給付になる
という仕組みです。
*1 正確には、「同一生計配偶者または扶養親族」です。扶養親族には16歳未満も含みます。
*2 2024年6月2日以降の中途入社の方は、毎月の天引き所得税は減らさず、年末調整で一括して調整します
誰が対象なの?
2024年分の「所得」が1,805万円以下である人です。
「所得」1,805万というと分かりにくいですが、収入が給与のみの方であれば「年収2,000万円以下」の方ということになります。
同一生計配偶者?源泉控除対象配偶者・控除対象配偶者もあるけど、なにが違うの?
簡単に言うと、こうです。
そして、こうです。
定額減税に話を戻すと、こうです。
定額減税の内容がざっくり分かったところで、具体的な対応方法について、解説していきます!
freee人事労務での対応方法
freee人事労務上に、定額減税専用の対応画面があります。
[書類]メニューを開き、[所得税の定額減税(2024年分)]をクリックすると、【定額減税実績表】を作成できます。
これで、
- 定額減税の金額はいくらなのか?(本人・同一生計配偶者・扶養親族の数を把握)
- あといくら引ける(控除できる)のか?
を管理できます。
freee人事労務に登録されている扶養情報を参照して算出されるため、事前に従業員情報(同一生計配偶者の情報、扶養親族(16歳未満を含む))に誤りがある場合は、修正します。
そして、その【定額減税実績表】で計算された月次減税額を、給与・賞与明細に反映することになります。
ポイントは、
「対象者には扶養親族が何人いて、結果いくらが定額減税額で、毎月の調整によりあといくら控除できるか」を管理することです!
freee人事労務の具体的な対応方法については、こちらのfreee社ヘルプページをご参考にしてください。
”freee人事労務での定額減税の流れ”
5/18追記:操作が少し分かりづらかったので、補足します
この後、各従業員が定額減税の対象か、各従業員ごとの同一生計配偶者と扶養親族の人数、定額減税額を確認します。
※本人30,000円+同一生計配偶者・扶養親族30,000円×●人 になっているか確認します。
反映される金額が誤っている場合、ここを修正します。
これで、想定通りの、「本人30,000円+同一生計配偶者・扶養親族30,000円×●人」の金額になっていればOKです。
そして、最後に、
6月を指定し、給与を指定し、該当の締め日グループを指定し、反映を押します。
freeeでは、これを、毎月の給与計算の度に「7月を指定」「8月を指定」など、行う必要があるようです。
マネーフォワードクラウド給与での対応方法
マネーフォワードクラウド給与上に、定額減税専用の対応画面があります。
【月次減税事務の準備】というページが用意されます。
- 定額減税の金額はいくらなのか?(本人・同一生計配偶者・扶養親族の数を把握)
- あといくら引ける(控除できる)のか?
を管理できます。
マネーフォワードクラウド給与に登録されている扶養情報を参照して算出されるため、事前に従業員情報(同一生計配偶者の情報、扶養親族(16歳未満を含む))に誤りがある場合は、修正します。
そして、その【月次減税事務の準備】で計算された月次減税額を、給与・賞与明細に反映することになります。
ポイントは、
「対象者には扶養親族が何人いて、結果いくらが定額減税額で、毎月の調整によりあといくら控除できるか」を管理することです!
マネーフォワードクラウド給与の具体的な対応方法については、こちらのマネーフォワード社ヘルプページをご参考にしてください。
”マネーフォワードクラウド給与での定額減税の流れ”
2024/5/13追記
5/10に定額減税対応の機能がようやくリリースされました。上記リンクを案内ページへのリンクに修正しました
手計算で給与計算をされている方の対応方法
ポイントは、
- 2024年6月支給の給与から対応すること
- 対応する とは、2024年6月支給の給与から天引きしている所得税を、減税するということ
- まず大事なのは、対象従業員に「同一生計配偶者」と「扶養親族(16歳未満含む)」が何人いるか把握すること
- そして、本人30,000円+同一生計配偶者または扶養親族30,000円×人数 で、定額減税額を把握すること
- その定額減税額を、6月支給以降の天引き所得税額から、順次控除すること
- 2024年12月支給の給与まで、定額減税額がなくなるまで、順次控除し続けること
- 「あといくら引ける?(控除できる?)」を、「従業員別」に、Excelやスプレッドシートなどで、管理すること ←これ重要
となります。
授業員別の管理表は政府が公表しているものもあります。
こちらになります。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/teigaku/xls/kojo.xlsx
イメージはこんな感じです。
おわりに
定額減税、給与をもらう人にとっては無意識で有難い話ですが、
正直なところ、給与を計算する側からすると、相当煩雑な作業だと思います。
(バックオフィスに携わっている人からの支持率を下げるんじゃないかなと思うほどです・・・)
freee人事労務・マネーフォワードクラウド給与・手計算
で給与計算されている方も多いと思いますので、こちらの記事がご自身の会社での検討材料になれば幸いです。
この記事を書いた人
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公認会計士・税理士・ITストラテジスト
山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。
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