事業を始める際の借入について考えてみた(返せなくなった時のリスクについて)

昨今、国が起業を後押ししていることもあり、個人事業主だとしても、企業(法人)だとしても、
事業を始める際の借入、いわゆる「創業融資」がとても借りやすくなっています(ハードルが下がっています)。

本当にそうなの?どうせ担保をものすごく取ったりするんでしょ?

例えば、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、
なんと、無担保・無保証 なんです!

詳細はこちら
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html 別タブで開く

もちろん、借りたものは返さなければなりません。
借りることができた=銀行から返済可能のお墨付きをもらった、というわけでもありません。

ただ、無担保・無保証の中で、
・返せなくなった時のリスク、はどんな所にあるのか?
・無担保無保証ってことは、最悪返さなくても良いの?そんなわけないよね?
とふと気になりましたので、

「無担保・無保証借入の、返せなくなった時のリスク」について、考えてみました。

結論としては、もちろん、「ノーリスクなんてあるわけない」でした。

返せなくなった時のリスク-個人で借りた場合

無担保・無保証だとしても、債務者が個人である限りは「返さなくて良い」はあり得ないです。

返せなくなった最後の道は「自己破産」ですが、
銀行も自己破産されたら困る&少しでも回収したいので、
例えば毎月2千円で何十年にわたって返済期間を伸ばしてくれたりなど、返済計画の見直しをすることになります。

つまり、返済はしなければならないということになります。(そして最後の道は自己破産)

返せなくなった時のリスク-法人で借りた場合

法人と個人は別人格となります。

つまり、最悪、法人を潰せば個人に返済義務が残ることはありません。「法人を潰せば個人で返済不要」ということになります。
法人破産ですが、個人の自己破産はせずに済みます。

ただし、気になるのはこの時、個人はノーリスクなのか、ということです。

個人の信用情報に傷がつくのか?ということだと思います。
信用情報機関に情報が連携されるかどうかは、借入契約約款などに個人の信用情報連携について記載があるはずなので、それを確認するしかありませんが、
もし、契約約款でも信用情報機関に関する記載がなかったらどうでしょう。
もしそれがなければ、個人は法人とは別人格なので、「信用情報機関」内の信用情報には傷はつかないはずです。

ただし、「実質的には」信用情報に傷がついている状態とほぼ等しい可能性が大です。
理由としては、会社が倒産したその時の代表情報などは公開されているので、銀行などは貸出の際にそういう情報も見るそうです。
その個人が、過去会社を潰したのかどうかも分かるそうです。

ということで、無担保無保証でも、実質的に、経営者個人の信用には傷がつく、ということになります。
個人の信用に傷がつく、というのは、新規法人での創業融資、個人住宅ローンの借入れ、新規でのクレジットカードの申込みが極めて困難になる、ということです。
ただし、返済はしなくてよい、ということにはなるのでしょう。

おわりに

やはり、借入をする以上、無担保無保証でも「全くのノーリスク」ということはなさそうです。

ただ、ひと昔前は、優れた事業計画・ビジョンがあり、実現可能性が高そうでも、貸してくれませんでしたが、
今は、創業者に優しい時代になっていると思います!

創業時は、創業融資だけでなく、補助金・助成金や、よろず支援拠点の無料創業相談などの支援もありますので、
使えるものは使って、事業拡大を目指しましょう!

この記事を書いた人

仲田 峻
仲田 峻
公認会計士・税理士・ITストラテジスト

山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。

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