中途入社(転職)従業員の住民税、特別徴収への切替手続について(会社側の手続き)

転職した際の住民税について、「従業員側」のヘルプ記事はたくさんあるのですが、「会社側」の手続きに関するヘルプ記事が全然見当たりません・・・
困っている給与担当者の方もいると思いましたので、簡潔に、そこだけピックアップしてまとめてみようと思います。
長ったらしく書きません!
住民税の特別徴収・納付の時期
6月~5月、という期間で、毎月天引きを行います。
給与には締日があると思いますが、天引きをする対象の給与は、
月末締当月末払いの会社は、6月締6月末払い のものからですし、
月末締翌月末払いの会社は、5月締6月末払い のものからとなります。
つまり、6月に「支給」される給料から天引きが開始します。
そして天引きした住民税は、翌月10日を期限として、会社が各市町村役場へ支払いをします。
なお、会社は6月~5月の特別徴収額を把握して、毎月の給与計算に反映させなければなりませんので、「毎月いくら天引きするの?」が気になります。
それは、各自治体から5月末頃に、「住民税特別徴収税額の決定通知」という形で、会社に通知が届きます。
(これが届く理屈として、1月末期日の給与支払報告書や、3月15日期日の確定申告書の結果を受けて、市町村役場が計算し、5月末に決定通知が届く、という流れになります)
退職時期が1月1日~5月31日の場合
退職後の残り(つまり5月分まで)の住民税は、前職で最後に支払われる給与から、前職において一括徴収されます。
なお、その金額が給与額を超える場合は、「普通徴収」に切り替わり、従業員ご自身で市区町村に納付することとなります。
退職時期が6月1日~12月31日の場合
退職後の残りの住民税の対応は、2つの方法があります。
普通徴収に切り替える
市区町村から従業員本人宛に納税通知書が送付され、期日までに従業員ご自身で市区町村に納付することとなります。
この場合、次の給与支払報告書提出~特別徴収住民税決定通知書までは会社は天引きしない(特別徴収しない)こととなりますので、
例えば8月末退職・9月入社の方は、9月分~5月分までは普通徴収が継続する、ということになります。
特別徴収に切り替える
転職先の会社で給料から天引きを続けるためには、
①前職で「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を発行してもらい、
②該当従業員へ渡してもらい、
③転職先会社が受取、転職先会社にて不足事項を記載し、
④該当従業員の住む市町村役場へ提出(退職日の翌月10日までに市区町村へ提出する必要がある)
という手続きが必要です。
なおこの時、転職先の給与担当者としては、「いつからいくらを天引きすれば良いの?」ということが気になります。
この回答としては、「市町村役場に確認する」となります。やるべきことは下記です。
①前職からもらった「特別徴収に係る給与所得者異動届」から、未徴収税額を確認する
②その未徴収税額を、いつ支払の給与から天引きするのかを決める
(例:12月退職で1月入社、ただし末締翌月末払契約なので初めての給与支払が2月である場合、2月~5月までの4か月間で、未徴収税額を天引きすることになる)
③その情報を役場へ伝えると、「では毎月いくらにしてください」という決定通知が届く
④届いた決定通知に従い、天引きを行い、天引きした翌月10日期日で納付する
③について補足すると、下記の画像のようにして異動届を市町村役場に提出すれば、上記①・②の手順を満たし、③の決定通知を待つだけとなります。(不安であれば役場へ電話して確認してみればOKです)

おわりに
ネットで調べる人が、「転職した従業員ご自身のこと」であることが多いのでSEO的にこの記事がどうなるか分かりませんが、会社側の処理について困っている人も多いと思うのですよね・・・。
そういった方に届きましたら幸いです。
この記事を書いた人

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公認会計士・税理士・ITストラテジスト
山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。
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