忘年会・新年会など、社内の懇親会は経費になる?ポイントや勘定科目を解説(福利厚生費・交際費)
社内の、懇親会にかかる費用は経費として計上できます。ただし、全部が全部、無条件に経費になるわけではありません。
経費計上の条件などを、解説します。
(2024年12月時点の法令に基づく)
社員全員が対象になり得る場合
社内で行う忘年会・新年会などの懇親会については、「社員全員が対象になり得る場合」については、社員に対する福利厚生費として経費計上可能です。
会社行事として社会通念上認められると考えられるからです。
従業員が何十人・何百人といるんだけど!という場合でも、あくまで「対象」であれば良いので、必ずしも全社員が参加する必要はありません。
つまり、社内の全社員が一堂に会する必要はなく、部署や課ごとに分けて忘年会を企画しているような場合でも、問題ありません。
ただ、忘年会費用といっても、その内容が常識的に見て過度に贅沢であったり、一般的に「忘年会」というイメージを超えるような内容であれば、その費用は交際費や個人への給与としてみなされる可能性は否定できません。
二次会は?
二次会についても基本的には同じ考え方となります。
社員の一部のみを対象とした飲食費は?
「社内飲食費」となり、福利厚生費ではなく、交際費となります。
社内飲食費とは?
順を追って説明すると、
まず交際費は、無条件に全額が損金算入(いわゆる、経費になる、というもの)されず、一定の要件を満たした金額のみが損金算入されます。
∵意図的に損金計上して納税額を減らそうと不正がはたらく恐れがあるため、等の理由
そんな中、経済活性化促進等の理由で「飲食費が1人当たり1万円以下」である場合は、税務上の交際費等の範囲から除外されます。
しかし、美味しい話ばかりではありません。「社内の」飲食費については、この1万円基準の枠外とするよ、というルールになっています。
(除外の除外、みたいなもの、ややこしいから本当にやめて欲しいのですが・・・)
それが「社内飲食費」です!下記画像のようなイメージです。
で、その社内飲食費は経費にできるの!?どうなの!?
中小法人であれば、年間800万円までは経費になります(損金になります)。
※中小法人:資本金1億円以下の法人(資本金5億円以上の法人の子会社等を除く)
厳密には「飲食費の50%」と「交際費全体のうち800万円」の有利な方を取ることになりますが、中小法人であればほぼ800万円を取ることが多いと思います。
大企業については、他にも解説サイトがあるので、そちらに譲ります。
番外編:個人事業主の交際費に上限はない
中小法人と同じように800万円と覚えられがちですが、個人事業主の交際費に、損金算入上限はありません。
(もちろん、プライベートな支出は交際費にはならないため注意です)
まとめ
まとめると、こうなります。
忘年会・新年会をきっかけにまとめはじめた記事でしたが、
ついでに、ややこしい「社内飲食費」についても整理できたので、良かったです。
この記事を書いた人
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公認会計士・税理士・ITストラテジスト
山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。
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