事業所番号?事業所整理記号?被保険者番号?社会保険・労働保険の各種番号ややこしすぎない?(健康保険・厚生年金・雇用保険など)

普段あまり意識しないのですが、社会保険・労働保険関係の手続きをするときに、色々な番号の記載が求められます。(例えば年一の、算定基礎届(社会保険)・年度更新(労働保険)の際など)

それら番号のややこしいことたるや・・・
何度調べても全く覚えられないですし、「番号」にフォーカスして整理しているようなWebサイトがないので、この記事で整理してみたいと思います!

健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険ごとの違いと、番号の探し方を図解&実務目線でわかりやすくまとめました。
番号迷子にならないための保存版。同じような疑問を持たれた方の、ご参考になれば幸いです。

そもそも社会保険・労働保険が混乱を生む理由

まず、この構造が浸透していないのが混乱原因の1つだと思います。社会保険、簡単に図式化すると、こんな構造になっています。

保険者、被保険者って、どっちがどっち?

保険者  :協会けんぽ や 健康保険組合などのこと(ざっくり)
被保険者 :加入した従業員
被扶養者 :加入した従業員に扶養されている家族
加入者  :被保険者+被扶養者
適用事業所:会社

会社は、保険者でも被保険者でもなく、「適用事業所」という呼び方をするようです。
分かりづらい・・・。まあ、税務にしたら、相続人(相続した方)と被相続人(亡くなった方)も分かりづらいので、それの社会保険バージョンのようなイメージですね。

番号・記号はどこに載っている?

通常、社会保険も労働保険も、資格取得時や喪失時の書類に必要な番号等は全て載っています。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)

資格取得時にもらえる【健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬月額決定通知書】に載っています。
または、毎月の【保険料納入告知額・領収済額通知書】にも載っています。
一部、【算定基礎届】にも載っています。

健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬月額決定通知書
算定基礎届
保険料納入告知額・領収済額通知書

社会保険(健康保険のみ)

ただし、健康保険には別の「事業所整理記号」があります。
つまり、厚生年金保険の「事業所整理記号」と、健康保険の「事業所整理記号」は異なる、ということです。

ややこしすぎるし、せめて名称を変えて・・・

健康保険の事業所整理記号は【健康保険証】に載っています。※マイナ保険証ではマイナポータルにログインしないと見れない
あとは資格取得時の【資格情報のお知らせ】にも載っています。

健康保険証
資格情報のお知らせ

なお、事業所整理記号のケタ数は加入している健康保険によって異なります。
・協会けんぽ:7~8ケタ
・関東ITソフトウェア健康保険組合:4ケタ

労働保険(雇用保険)

資格取得時にもらえる【雇用保険被保険者証】【雇用保険被保険者資格等確認通知書】に載っています。

雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者資格等確認通知書

労働保険(労災保険)

資格取得時にもらえる【労災保険加入証明書】に載っています。
または、年度更新の際の【労働保険概算保険料申告書】にも載っています。

労災保険加入証明書
労働保険概算保険料申告書

各保険ごとに何の番号がある?

まとめます。

保険種類番号ケタ数説明
健康保険事業所整理記号2+カタカナ3ケタ事業所ごとに付与されるもの
厚生年金保険でも使うもの
事業所番号5事業所ごとに付与されるもの
被保険者整理番号加入者数だけ個人別に付与されるもの
(扶養家族も同じ番号)
事業所整理記号7~8(協会けんぽであれば)事業所ごとに付与されるもの
健康保険で使うもの
保険者番号8(協会けんぽであれば)健康保険組合の番号
厚生年金保険事業所整理記号2+カタカナ3ケタ事業所ごとに付与されるもの
厚生年金保険でも使うもの
事業所番号5事業所ごとに付与されるもの
被保険者整理番号加入者数だけ個人別に付与されるもの
(扶養家族も同じ番号)
雇用保険事業所番号11(4+6+1)事業所ごとに付与されるもの
被保険者番号11(4+6+1)個人別に付与されるもの
労働保険番号14(11+3)事業所ごとに付与されるもの
労災保険労働保険番号14(11+3)事業所ごとに付与されるもの

番号が分からず困ったら・・・

結局は管轄事務所(提出先・相談先)があるので、その大元に聞くのが一番です。

保険の種類管轄事務所
健康保険・厚生年金保険年金事務所
雇用保険ハローワーク
労災保険労働基準監督署

まとめ

まとめてみても、全然頭に入ってきません…

なぜこんなに番号が乱立しているのか、おそらく過去の管轄事務所が別々だったり、統合されても昔の番号を変えることができなかったり、その影響だと思いますが、なんとかして欲しいなと思いました。

この記事を書いた人

仲田 峻
仲田 峻
公認会計士・税理士・ITストラテジスト

山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。

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