経営目線(≠相続目線)で、土地活用の種類と気を付けるべきポイントについて ※前提:土地保有者
あるお客様から「経営目線」で土地活用についてアドバイスして欲しいと依頼を受けました。
ネット上に「相続対策」などの目線で土地活用が語られてい記事はたくさんあるのですが、「経営目線」で土地活用をまとめてくれている記事が少ないことに気が付きました。ので、良い機会と捉え、「経営目線」(≠相続目線)で有効な土地活用についてまとめてみました!
土地を持っている方の代表的な土地活用方法3つ
土地を持っている方で言うと、代表的な土地活用方法として3種類あります。
種類 | 利回り | リスク | 補足 |
---|---|---|---|
商業テナント系 | 高 (8~10%) | 高 | ・賃料単価が高い ・スーパー、コンビニなどの物販系は賃料単価が高いため利回りは高い ・飲食店や美容院となると賃料単価が安くなるため、利回りは物販系の半分以下。 ・撤退リスクが常につきまとう |
住居系 | 中 (6~8%) | 中 | ・撤退があっても入居も多い |
介護福祉施設系 | 低 (4~6%) | 低 | ・一度入れば撤退しづらい ・高齢者増に伴いニーズ増 ・建物が特殊で転用性は低い |
上物(建物) 建てるvs建てない 問題
土地を持っている方だからこそ悩む問題です。
持っている土地の上の上物(建物)について、自分たちで建てるか建てないか問題。利回りやリスクをまとめてみます。
(例:商業テナント系)
建物 | 利回り | リスク | 補足 |
---|---|---|---|
建てる | より高 (10%以上) | より高 | ・中には建物建設のための費用の一部を「協力金」として負担してくれる事業者もいるので、 少なめの負担で実現できる場合もあり ・建設協力金を受け取る分、建物の仕様は事業者の希望に沿っているため転用しにくい可能性があり |
建てない | 高 (8~9%) | 高 | ・「事業用定期借地権」を設置し、事前に土地を貸し出す期間(最低10年以上50年未満で更新はなし) を決める場合が多い。契約で決めた期間が終われば、土地はオーナーの元へ戻ってくる |
土地活用の運用方法種類一覧
一言に土地活用といっても多種多様な活用方法があります。こういった一覧は意外と見たことがないのではないでしょうか!?
この中から、それぞれの特徴を鑑みて、活用方法を選択されるとよいと思います!
用途 | 具体的施策 | 特徴 |
---|---|---|
駐車場 | 時間貸 | ・投下資本が少ない ・次期計画に取り掛かりやすい(=暫定活用) ・税法上の効果は希薄 |
月極 | ||
賃貸住宅 | 低層賃貸住宅 | ・長期的に安定した入居者の確保ができるが、 ニーズを捉えた企画が重要 ・個人管理では煩わしさあり |
中高層賃貸住宅 | ||
戸建貸家 | ||
介護施設 | デイサービス | ・高齢化社会で需要は見込める ・立地条件に制約が求められる場合がある |
サービス付き高齢者向け住宅 | ||
グループホーム | ||
医療施設 | 単独クリニック | ・高齢化社会で需要は見込める ・立地条件とテナントの確保が課題 |
クリニックモール | ||
総合病院 | ||
事務所・店舗・商業テナント | オフィス | ・出店社があれば高収益だがターゲットは限定的 ・安定性はテナントの資質に依存 ・駐車場確保も条件の1つに |
ビルイン店舗 | ||
郊外型店舗 | ||
工場・物流施設 | 工場 | ・大規模開発に適している ・撤退リスクが小さい ・交通アクセスや地理的条件あり |
倉庫 | ||
物流センター |
土地活用のとき気をつけるポイント
変えられる条件と変えられない条件について考える
変えられないもの:行政条件、立地、周辺環境、交通の利便性、道路幅、方位
変えられるもの :土地貸し、土地建物貸し、期間貸し
→変えられないことを前提にして、変えられるものを変えていくことが収益UPに繋がります!
ローリスクハイリターンは存在しない(と思ったほうがよい)
リターンが多ければ、基本的にはハイリスクと考えたほうが良いです。
相談するなら「不動産コンサルティング」「土地活用コンサルティング」会社
不動産を持つ会社に相談すると、やはり「買う前提」「売る前提」「貸す前提」「借りる前提」となってしまうので、安易に不動産会社へアクセスすべきではないと思います。
では、どういった所へ相談すべきなのか!?
例えば、実際に不動産を持たず、コンサルティングを専門としている会社があります。そういった所か、または、不動産を持っていても土地活用に力を入れている(と謳っている)会社に相談するのが良いと思います。
ネット検索ベースで、私が繋がっているわけでも何でもありませんが、こういった会社が土地活用コンサルを強みにしているようです。
株式会社パワーコンサルティングネットワークス:https://powercon.jp/solution.html
株式会社アックスコンサルティング:https://www.accs-c.com/service/service02/
生和コーポレーション株式会社:https://www.seiwa-stss.jp/company/
大和財託株式会社:https://yamatozaitaku.com/tochikatsu/
また、こんなサイトもありました。土地活用を謳う地域の不動産業者が一覧として載っています。何もアテがなく訪問するよりも、能力のある会社に当たる可能性は高いと思います。
土地有効活用相談ネット:https://tochikatsuyou-soudan.net/
※参考※
相談パートナーをまとめると、以下のようなジャンル分けになると思います
種類 | パートナー | 補足 |
---|---|---|
建設系 | ハウスメーカー ゼネコン 工務店 | ・建物を建てることが目的なので、採算が合わなそうだからやめた方がよいですよ、という意見は出てこない |
非建設系 | コンサル系 | ・相続系、賃貸管理系、売買系など千差万別なので、過去の相談実績を確認する必要あり |
不動産系 | ・建物ができてからの入居者の斡旋などに強みがある→「土地活用からできる」の売り文句をしている所を探す | |
金融機関系 | ・資金計画などには強みがあるが、具体的な相談は難しいか | |
公的機関系 | ・住宅改良開発公社、全国賃貸住宅経営者協会連合会などあるが、賃貸住宅に強み |
まとめ
土地は2つと同じ条件のものはないので、1つ1つオリジナルな活用方法となります。
そして、「より良い」活用方法はあっても、「最適な」とか「最高の」活用方法はないと思います。(あっても、結果論になります)
①まずは、自分自身でどういう土地活用方法があるのか、検討すること
②一緒に活用方法を「フラットに(ココ重要)」考えてくれるパートナーを探すこと
この2つが重要だと思います。
特に②は難しいですが、色々なパートナーの話を聞いてみて、自分に合うパートナーを探してみるほか、ないですね。
仲田公認会計士・税理士事務所は、不動産会社ではないため直接ご提案することは難しいですが、例えば、提携している税理士事務所傘下の不動産会社(=土地活用についてフラットに検討できる会社)をご紹介することなど、可能です。
もしそのようなご検討をされている場合は、ぜひお問い合わせください。
\お気軽にお問い合わせください/090-7539-7374
お問い合わせフォームはこちらこの記事を書いた人
-
公認会計士・税理士・ITストラテジスト
山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。
↓詳しくはこのWマークをクリックしてください。HPへ遷移します。
最近の投稿
- 会計/経理2024年10月14日事前確定届出給与ってなに?いつまでに何を届け出るの?非上場中小企業の役員賞与の手段
- 独立開業日記2024年9月26日CPAナビコミさんで、独立会計士向けにLTさせていただきました@freee本社
- 会計/経理2024年9月5日個人事業主の健康診断や人間ドックの費用は経費になる?ポイントや勘定科目を解説
- IT/デジタル2024年8月20日名刺交換から経営指標の管理が始まるんだよ、という話(DX事例)