なぜ今クラウド会計?電子帳簿保存法とインボイス制度があるから!
昨今、企業の経理部門を賑わせている、「電子帳簿保存法(通称、電帳法)」と「適格請求書等保存方式(通称、インボイス制度)」。
要は、法改正の対応をしなければならないのですが、
- 今までのやり方に工数を増やして対応するか
- DXして工数削減して対応するか
経営者の判断が問われます。
そこで、「そんな今だからこそクラウド会計をオススメします!」という記事です。(freee(フリー)やMoneyForward(マネーフォワード)など)
電子帳簿保存法やインボイス制度の詳しい解説は、ネットの他の記事でも大量に存在しているので、当ページでは「クラウド会計」に関連する理由に絞って、簡潔にまとめたいと思います!
施工前から何度も制度改正などバタバタしており、導入進捗次第では、まだまだ実施時期や経過措置など変わる可能性があります。随時情報の収集は必要です。
当記事は2023年4月11日時点の情報で記載しています。
電子帳簿保存法対応にクラウド会計が良い理由
電子帳簿保存法とは
国税関係(法人税法や所得税法)の帳簿や書類を電磁的記録(電子データ)で保存することを認める法律です。2022年1月1日~施行され、2023年12月31日まで猶予期間が設けられています。
つまり、2024年1月1日から義務化です。
各税法で規定されている帳簿および書類は、原則「紙」でした。これが一部、原則「電子」になります。
概要は下図の通りです。
なぜ電子帳簿保存法は話題になっているの?
電子帳簿保存法が話題を生んでいる最大の要因は、
「電子でやり取りしたデータは電子で保存しなければならない(=紙出力して保存してはならない)」からです。
そして、ただ電子で保存すればよいだけでなく、
- タイムスタンプ付与または削除・訂正のログが確認できる
- ファイルに検索項目を付し、検索機能を確保する
- 訂正・削除の防止に関する事務処理規程を作成および運用する
などの対策が必要であるため、「何かしらのシステムを入れないと対応できない」とされ、現場が混乱しています。
クラウド会計が電子帳簿保存法に役立つ3つの理由
そこで、電子帳簿保存法対応にクラウド会計が役立ちます!以下の図の3点で、クラウド会計に優位性があります。
クラウド会計有利ポイント①:義務化された電子データ保存に、他システムを入れずとも自動対応できる
通常の会計ソフトを利用している場合、会計データとは別に、電子データを保存しなければなりません。つまり、自分で別システムを用意する必要があるため、その分手間とコストがかかります。
クラウド会計を使うと、電子データ保存要件に対応した保存場所が用意されているため、他システムの導入が不要です。
また、クラウド会計は日々アップデートされ法改正にも対応していくので、いわば「勝手に」システムが対応してくれます。これが、クラウドシステム導入の醍醐味ですね。
クラウド会計有利ポイント②:任意制度のスキャナ保存も、他システムを入れずとも対応できてしまう
①と同様ですが、別システムを準備する必要なく、クラウド会計システム内に、スキャナ保存要件に対応した保存場所が用意されています。
スキャナ保存は任意制度なので、紙で保存し続けてもよいのですが、電子取引が電子データ保存を義務化されてしまった今、証憑類の保存が紙と電子で別れてしまうことになってしまいます。
「これは電子、あれは紙」といった保存は大変面倒で手間ですし、紙は保管コストもかかります。一括して電子保存する方が、コスト面・業務効率化の面でも優位なのは明らかです。
クラウド会計有利ポイント③:全ての証憑を電子保存で統一でき、保存場所も1つのクラウド会計システムとなる
②で述べたように、「これは電子、あれは紙」といった保存はやめて、全て電子保存することが可能になります。
そして、会計システムと保存システムなどと2つ以上のシステムで保存するのではなく、1つのクラウド会計システム内で、全て保存を管理することができます。
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スキャナ保存を適用している場合、国税関係書類の書面(紙)は、スキャナで読み取った後、即時に廃棄しても問題ないでしょうか。
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スキャナで読み取り、最低限の同等確認(電磁的記録の記録事項と書面の記載事項とを比較し、同等であることを確認(折れ曲がり等がないかも含む))を行った後であれば、即時に廃棄して差し支えありません。
SD:国税庁 電子帳簿保存法一問一答 令和4年6月 問3より一部抜粋記載
インボイス制度対応にクラウド会計が良い理由
インボイス制度とは
新しい仕入税額控除の方式で、正式名称は「適格請求書等保存方式」といいます。2023年10月1日~施行されます。
なぜインボイス制度は話題になっているの?
インボイス制度が話題を生んでいる最大の要因は、
インボイス制度に対応しないと、請求書を受け取った仕入側の消費税計算の際、仕入税額控除が取れない(=納付税額が大きくなってしまう)からです。
そして、インボイス制度に対応するために登録すればよいだけでなく、
- 請求書に既定の項目を追加しないといけない(インボイス登録番号など)
- 請求書発行側も請求書の保存が義務化される
- 発行事業者へ登録すると自動的に「消費税課税事業者」になってしまう(=免税事業者でいることはできない)
ということで、システム対応の面でも、免税事業者でいることができなくなってしまう面でも、現場が混乱しています。
特に、「免税事業者でいることができなくなってしまう」が、大きく混乱を生んでいる要因です。
通常、消費税課税売上1,000万円以下であれば、免税事業者と言い、消費税の納税が免除されますが、
今回、課税売上1,000万円以下でも、インボイス対応すると、課税事業者となり、消費税の納税が必要となります。
つまり、従来免税事業者であった者としては、以下のジレンマが生まれます。
非対応=免税事業者を継続 | 対応=課税事業者に切り替え | |
---|---|---|
メリット | ・今までどおり消費税を納税する必要はない ・売上が下がらなければ収入を維持できる | ・取引先の仕入税額控除の対象になるので、安定的に取引できる ・納税額を売上税額の2割に軽減する負担軽減措置を3年間受けられる |
デメリット | ・仕入税額控除の対象にならず、取引先から消費税分の値引きを要求される可能性がある ・課税事業者(適格請求書発行事業者)との競合に負ける可能性がある | ・消費税の納税義務が発生する分、手取りが減る ・インボイスは従来の請求書より記載項目が増えるため、経理が複雑になる |
こんな人におすすめ | ・売上先は事業者ではない個人事業主が多い ・取引先は免税事業者が多い | ・取引先は課税事業者が多い ・今後事業拡大していきたい |
クラウド会計がインボイス制度に役立つ2つの理由
上記ジレンマの解消は、正直なところ経営者の「判断」が必要で、クラウド会計は役立ちません。
しかし、やらなければいけないことへの対応は、クラウド会計が役立ちます!
クラウド会計お役立ちポイント①:受け取った請求書の要件確認ができる
電子で取り込んだインボイスに対し、インボイス番号から取引先がインボイス対応しているか否か、自動判定できます。
また、インボイスのOCR読み取りにより、消費税区分に応じた自動仕訳が可能です。
クラウド会計お役立ちポイント②:発行する請求書のインボイス対応が自動的にできる
インボイス制度の要件を満たす適格請求書をクラウド会計から発行でき、また発行後にそれをクラウド上へ自動保存できます。(=同時に電子帳簿保存法にも対応できる)
まとめ
電子帳簿保存法って何?インボイス制度って対応しないといけないの?など、ご不安なことも多いかと思います。
これに限らずですが、昨今は法制度の改正のスピードも速く、中々ご自身で対応するのが難しいです。
法制度の理解と共に、会社の業務フローをより良い形にして、対応しやすい会計ソフトを導入・切り替えすることが重要です。
その1つの答えが、「クラウド会計への切り替え・導入」だったりします。(freee(フリー)やMoneyForward(マネーフォワード)など)
仲田公認会計士・税理士事務所では、貴社・貴事業に合った形で、業務負荷をなるべく増やさないように、業務効率化しながら「電子帳簿保存法」「インボイス制度」への対応のご提案が可能です。
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公認会計士・税理士・ITストラテジスト
山梨県、仲田公認会計士・税理士事務所の代表です。「企業・経営者の町医者」をテーマに、経営の身近な相談相手でいたいと思っています。
強みは「クラウド会計と経営・ITに精通」「中からも外からも企業のことを熟知」「中小/ベンチャー/起業支援の実績」。
スノーボードとサッカーとブラックコーヒーとONE PIECEが好きです。
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